にいがた朝ごはん

春の田舎のおかずの王道を主役に据える心意気 ふき味噌

「エコ温泉計画」を推進する温泉郷が提供する、おいしい朝ごはん

自然を守る活動と、美味しい朝ごはんを提供する理念は同じ

五頭温泉郷では独自に無添加石けんを使用する等の「エコ温泉計画」を推進し、きれいな水を守り、お米を育て、おいしいご飯を提供しようと、今でも地域一丸となって取り組んでいます。五頭連峰の緑豊かな自然に抱かれた五頭温泉郷。今や知る人ぞ知る、歴史ある通好みの温泉地が、朝ごはんプロジェクトに参加することになったのは、各温泉地参加の草の根的な活動に五頭温泉郷も参加し、そこで良い刺激を受けたからだといいます。そんな中での朝ごはんプロジェクト。「私たちが続けている活動の理念と、朝ごはんプロジェクトの理念はリンクしていたのです」とは、プロジェクトスタッフの荒木さん。おいしいご飯をよりおいしくいただいてもらうために、五頭温泉旅館協同組合はスタッフ一丸となって朝ごはん作りに取り組んでいます。

ご飯をいっそう美味しく食べていただくために喧々囂々

きれいな水で育ったお米で炊き上げた美味しいご飯にあうおかず

今まで取り組んできた活動によって生まれたおいしいお米を、どのようなカタチで魅力的な朝ごはんとしてお客様に提供していくか。メニュー開発の会議は終始和やかな中にも、なかなか意見がまとまらず、スタッフも苦戦したようです。当時の雰囲気をスタッフの永松さんが笑みをこぼしながら話してくれました。「きれいな水のもとに生まれたきれいなお米。そしてきれいな水で炊き上げたご飯のおいしさをそのままに、いや、もっとおいしく感じてもらうために、会議に参加した全員が必死になって考えたからこその喧々囂々だったと思います」。検討を重ねること数回。候補は「ふき味噌」に絞られていきました。

考え抜いてたどり着いた、これが五頭温泉郷の美味しさ!

お客様が喜んでくれるものこそが一番のご馳走

候補が絞られてきたにも関わらず、最終的な結論が出るまでにかなりの時間を要したとか。あまりにもいにしえから普通に食べられてきた一品なので、「(普通すぎて)面白くない」、「在り来たり」の意見が。しかし、そんな重苦しい雰囲気の中、誰からともなく「ちょっと待って」の声。「五頭温泉郷らしさを改めて考えたとき、素材の良さ、つまり自然の恵みを感じられるおいしさを素直に伝えられればお客様は喜んでいただけるのではないか。と感じたのです。フキノトウを使い、おいしいご飯を引き立てること。シンプルだけれど、在り来たりかもしれないけれど、それが五頭温泉郷のおいしさなのではないかと」。荒木さんは静かに語ってくれました。ようやく、エコ温泉計画を推進する温泉地に相応しい朝ごはんのメニューが決定したのです。

「ふき味噌」を主役の座に据える温泉郷。エコに向き合う温泉地の誇りです

春の田舎のおかずの王道を主役に据える心意気 ふき味噌

宿の料理人も気になるほかの宿の味。その味は千差万別

山裾に点在する五頭温泉郷だけあって、フキノトウは春を告げる使者のようなもの。荒木さんは、「みんな嬉々として山へ入り、春の訪れを喜びながら、収穫していきます。それを宿ごとに、昔から伝わる製法で「ふき味噌」をつくり提供するのですが、今まではどちらかといえば、ご飯のおかずの中でも脇役的な存在だったと思います。でもこれからはプロジェクトの名に恥じないよう、参加する宿はかなり気合いを入れて「ふき味噌」を仕込むのではないでしょうか。味噌からつくっている宿もありますし、塩多めの味噌少々や、味噌多めの塩少々といったレシピの違いで、見た目や味わいもかなり変わってきますから、実は私も他の宿の味わいは気になっているんです(笑)」。おかずの王道「ふき味噌」を、改めて主役の座に据える五頭温泉郷。その味わいは、環境問題に真摯に向き合う温泉地の誇りといっても過言ではないでしょう。

五頭温泉郷朝ごはん 対象旅館