にいがた朝ごはん

冬の佐渡に訪れた人だけ味わえる海からの贈り物 いかとんびの漁火焼き

冬の佐渡は魚介のおいしさがぎっしり

また冬に訪れたくなるような一品を検討

日本全国どこにいっても、ある季節、その土地を訪れなければ味わえない極上の食材と食し方があります。鮮度維持の問題から遠方に流通することが出来ない、生産量が極端に少ない、そして教えたくない(!)等々、様々な理由がありますが、なんでもかんでもお取り寄せというこの時代においても少なからずそのような幻の一品というものが埋もれています。今回の佐渡の朝ごはんでは、ついに幻の食材一品が『訪れた人だけに』解禁されます。乞うご期待!

スルメイカのおいしさ真骨頂

本音で勧めたいプリプリのいか『とんび』

それは地元旅館組合青年部と美佐渡会という女将会、総勢十数名で行なわれたメニュー検討会議でのこと。ある女将から提案が。「わざわざ冬の佐渡にお越しいただくのだから、私たちもお客様の期待を上回るようなもてなしをしなければならないと思います。そこで私が推薦したい食材が、生のスルメイカの『とんび』です」。「おお~っ」、全員がどよめいたと篠原さん。『とんび』とは、イカやタコの口(くちばし)周辺の筋肉質の肉の部分で、現在では乾燥・味付け加工され、珍味として流通されることがほとんどの食材。「スルメイカの旬と言えば通説的には夏なのですが、冬は夏の頃と比べて身が倍程になり『とんび』ももちろん肉厚。イカは『とんび』の部位が一番美味しいとも言われています。現在はいろいろな事情から旅館でもスーパーでも生の『とんび』は出回っていませんので、これはとても面白い! と思いましたね」。そのいは篠原さんだけでなく全員が一致。ついに幻の食材を活かしたメニューづくりがはじまったのです。

ちょっとひと手間の絶品朝ごはん

味噌バターの香ばしい香りが食欲をそそります

鮮度は極上。刺身として生でもいただける部位をいかに朝ごはんとして相応しいものに仕立てるか。せっかくの食材を充分に活かせるようにと検討し続けての着地点は、冬に嬉しい、体も温まる味噌バター焼きでした。「イカと味噌バターの相性が良いことは周知の事実ですので、『間違いない』美味しさです。味噌やバター、そして添えられる冬野菜等は宿毎で異なりますが、実は佐渡ではバターも作られていますので、宿によってはオール佐渡産食材でもてなしてくれるかもしれませんよ」。親切な篠原さんは、堅いくちばしを身から離さないといけないので、そこだけ面倒かも・・・と話していましたが、先程こっそりといただいた(みなさんすいません、先に頂きました!)分には全然気になりません。むしろ、こんな美味しい頂き方があるのだと、感激しきりでした。レアでも良し、充分火を通してから頂くも良し。冬の佐渡だから味わえる幻の一品で朝ごはんとは最高です。

佐渡の食は冬に極めたい!

冬の佐渡に訪れた人だけ味わえる海からの贈り物 いかとんびの漁火焼き

カニ、ブリ、アンコウ、マダラも待ってま~す

冬の日本海といえば鉛色の空に荒波が打ち寄せる演歌のイメージで、それだけに、足をのばして冬の佐渡へ訪れることをためらいがちになります。しかし、「確かに天候がすぐれない日も多いですが、フェリーの就航率は高いですから、あまり気構えずに訪れていただけると思います」。私たちが思っている程、冬の佐渡は遠くなさそうです。おまけに、食いしん坊には聞き逃せない一言も。「佐渡の食、特に魚介を極めたいなら冬ですよ。カニ、ブリ、アンコウにマダラなど、身が厚く脂がのった魚介で溢れています。また、他の季節とはひと味違い、神秘的な島の雰囲気にも触れていただけるでしょう」。冬の荒波なんのその、幻と絶品の魚介をいただきに、佐渡に行こうではありませんか。