にいがた朝ごはん

江戸時代、会津藩から脈々と愛され続けてきた麹料理 みがき鰊の麹漬 春野菜の三五八漬

きりん山温泉の歴史や文化が伝わるメニューでおもてなし

永年地元で愛されてきた、懐かしい味わいの郷土料理

旅の醍醐味のひとつに挙げられるのは、その地域の歴史や文化にふれること。きりん山温泉の朝ごはんプロジェクトは、朝ごはんという「食」を通して阿賀町の歴史や文化を知っていただこうという想いからスタートしました。プロジェクトリーダーの佐伯さんは「そんな想いが伝わるように、腕が確かな職人さんにより、歴史があり今なお育まれ続けるメニューを提供いたします。安心かつ安全な食材を用い、永年地元で愛され続けてきたものですから、はじめていただいてもどこか懐かしく、心も温まると思いますよ」と。かくして選ばれたのは、古くからこの地の郷土料理として食されてきた二品。「みがき鰊(にしん)の麹漬」と、同じく麹を使った「三五八漬」でした。

阿賀町の歴史にふれることが出来る奥深い郷土料理

山の中でなぜ「鰊」?その答えは歴史にあり

それにしても、なぜ山の中で「鰊」、そして「麹」なのでしょう。その答えのひとつは、阿賀町の歴史的背景にありました。江戸時代、この地区には会津藩の川港があり、海の魚介が多く取引されていました。その中で鰊は安価でいながら貴重なタンパク源として重宝されていたのです。時代は変わり、港は機能を失いましたが、今でも正月料理や保存食として鰊が利用されるなど、当時の名残りがうかがえます。「会津地方では甘露煮や山椒漬けが有名ですが・・・」と佐伯さん。どうやら、なぜ「麹」なのかを解く鍵は、風土的背景に関係しているようです。

「麹のなぞを解く鍵」それは清らかな名水と霧

阿賀町は著名な名水があるなど清らかな水が豊富な土地柄。また、阿賀野川と常浪川の合流地点に位置するため、霧が発生しやすく、酵母や醪(もろみ)を使用した麹や味噌、そして清酒をつくるのに最適な環境といえます。つまり、麹漬けは必然の産物といっても良いものなのです。今回の料理に使用する麹は、地元「宮川麹や」自慢の品。阿賀町産コシヒカリを使用し、余計なものを加えず手間ひま掛けて仕上げられたものです。

大正創業の老舗職人が自然の風土の中で麹と向き合い丁寧に作る「麹漬」

塩3、米5、麹8で漬け込むから「三五八漬(さごはちづけ)」と言うのです

「みがき鰊の麹漬」は、「宮川麹や」さんで製造されているものです。大正時代から続く「宮川麹や」さんの麹は、保存料などの添加物を使わない天然のやさしい味わいが評判で、県内外問わずリピーターも多いといいます。「麹づくりは難しいですが、嘘をつかず、清潔に丁寧にやっています。余計なことは何もしません。鰊漬けも同じです。天然の素材とこの地域の風土でつくる、おふくろの味なんですよ」と店主の宮川さん。三五八漬けは、各宿の調理場で仕込まれます。その名の通り、塩3、米5、麹8の割合で混ぜ合わせたものに、新潟市産のかぶ、きゅうり、にんじんなど、春の野菜を漬け込み、1日置けば完成です。

メニューの脇には歴史を記した説明書を添えて

江戸時代、会津藩から脈々と愛され続けてきた麹料理 みがき鰊の麹漬 春野菜の三五八漬

地元の皆さんが「ぜひ食べていただきたい!」とおススメする美味しさ

「みがき鰊の麹漬」も、「三五八漬」も、地域の皆さんがオススメするおいしさ。朝食にお出しする際には、メニューの脇に会津とのつながりや川港の歴史などを記した説明書も添えるそうです。「歴史ある阿賀町の郷土料理を通してきりん山温泉の魅力をもっと知っていただきたいですね」と佐伯さん。現在は地元の生産者も交えて奥阿賀産のじねんじょや他の特産を使った料理にも挑戦しているそうなので、今後の企画が楽しみです。

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