にいがた朝ごはん

文化の伝承「青砥武平治のDNA」鮭料理 鮭料理(塩引き、焼付、酒びたし、イクラ等)

お客様が瀬波温泉で期待されるもの

村上の至宝を共通食材として決定

お客様のご期待に沿う食材をご用意させていただいたと申し上げれば良いでしょうか」。
プロジェクトスタッフの土谷さんは、静かに口を開きました。瀬波温泉旅館組合における、メニュー決定会議のスタッフの参加は毎回約15名程。今回の参加にあたり、各自食材を要検討という申し合わせがありましたが、全員の気持ちは見事に一致しました。
瀬波温泉が提供でき、そしてお客様が期待されている食材の答え。それは、瀬波温泉がある村上市の宝ともいえる「鮭」だったのです。

村上・瀬波の歴史と伝統を伝えよう

鮭の回帰性に最初に着目した、江戸時代の村上藩士「青砥武平治」

村上は、平安時代から鮭が特産物とされ、都へも物納されていました。江戸時代まだ誰も鮭の増殖など考えもつかなかった時代に、この鮭の自然孵化増殖に成功したのが村上藩士の青砥武平治です。このことにより村上の鮭は、村上藩の財政を支え、漁の仕方や料理法の数等、いわゆる鮭文化において日本全国に名を馳せています。
そのため、現在では「年に一回は村上の鮭を食べなければ」という全国のファンも多く、秋の鮭シーズンになると毎年足しげく通われる方や、通販でも「村上の鮭」を楽しまれているそうです。だからこそ、今回の瀬波温泉における朝ごはんプロジェクトの共通食材の決定には時間がかからなかったのでしょう。

鮭に関しては「譲れない」村上人の気質が目を覚ます

改めて、朝ごはんの鮭料理に向き合う

鮭という、とびきりの共通食材はすんなり決定したものの、そこから共通のメニューを導き出すのが至難の業でした。というのも、地元では鮭料理のレシピは塩引きや酒びたしという代表的なものをはじめとして約百種類もあるといわれ、各家庭や宿が誇りを持って接する食材だけに、誰もが鮭料理に一過言あるといわれるほど、他人には「譲れない」各家庭、各宿の美味しい料理があるといいます。それならなおさら統一したメニューは難しい。
土谷さんは難航する共通メニュー開発について振り返ってくれました「村上人のDNAに染み付いている誇りや伝統を簡単に一つのメニューにまとめるのはどうなのだろうという話しが持ち上がりました。宿でも代々、鮭に関しての研究や調理をしていたわけですからね。それならば、ひとつにまとめるのではなく、鮭を使用することを前提条件として、各宿が改めて『朝食に合う鮭料理』を考えてみようということになったのです」。

美味しく提供することが、鮭への礼儀

鮭は、頭から尾、内臓まで何一つ捨てることなく使いきることができ、料理数も約百種類を越えるといわれていますから、各宿得意な料理を提供すれば簡単・・・と済まさないところが村上人の鮭に対する礼儀です。新潟の一大米ブランドのひとつである岩船産コシヒカリのアツアツご飯に合う鮭料理とは? お客様の期待に沿える鮭料理とは?
もちろん、良い意味で他のところには負けないようなメニューを提供しようという競争原理も働いたでしょう。「このプロジェクトの良さだと思います。そうやって皆で競って、より美味しい鮭料理、朝ごはんを提供することが瀬波温泉のレベルを上げ、お客様に喜んでいただくことになるのですから」。と土谷さんも、村上人に受け継がれている「青砥武平治のDNA」気質を再認識したということです。

定番から新しいものまで、瀬波に来てのお楽しみ

文化の伝承「青砥武平治のDNA」鮭料理 鮭料理(塩引き、焼付、酒びたし、イクラ等)

しかし、困ってしまうことも?

瀬波温泉でいただく朝ごはんの鮭料理。それは各宿が改めて鮭と向き合った結果です。オーソドックスに塩引き。昔から地元では食されていながらも、意外や知られざる逸品である鮭味噌。そして伝統の味わいをアレンジした酒びたしのふりかけ等々。「何が食卓を飾るかは来てみてのお楽しみでしょう」。最後に土谷さんは微笑みながら語ってくれました。「どこも間違い無しの美味しさで、白いご飯にピッタリのものだと思いますよ。
ただ、全て朝酒にも相性がピッタリなので、ちょっと困ってしまいますが(笑)」。それもまた、瀬波温泉の楽しみ方なのではないでしょうか。

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